広報コンクールの表彰式に出席したら、全国の"猛者"たちに出会いました‥
こんにちは。広聴広報課の広報誌担当です。
皆さんに一つ、ご報告したいことがあります。
実は、香川県広報誌「みんなの県政 THEかがわ」が、令和6年の全国広報コンクールで、「広報紙」の「都道府県・政令指定都市部」において1位となる特選(総務大臣賞)を受賞しました!
▼くわしくはこちら(香川県ホームページ)
今回、その表彰式が秋田県の横手市で開催され、広報誌担当の私も出席させていただきました。
この記事では、表彰式の模様のほか、全国自治体の広報担当者インタビューを掲載していますので、ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。
いざ、秋田の表彰式へ!
飛行機で、高松空港⇒羽田空港⇒秋田空港。
秋田駅からは在来線の電車に乗り、横手市まで行きます。
車窓からは、こんな景色が広がります。
米どころの仙北平野。美しい田園風景が何十キロにもわたり続きます。
横手市は秋田県南東の内陸地域にある人口約8.2万人の街。名物はB1グランプリで優勝した「横手やきそば」、ほかに豪雪地域の特色を生かした「かまくら」などが有名です。
会場に着きました。
横手市にある「秋田ふるさと村」のドーム劇場です。
建物の入り口横には、受賞作がずらりと展示されていました。
皆さん、勉強熱心
この日は全国から50を超える自治体の広報担当者が集まっていました。
皆さん、本当に勉強熱心です。他の広報誌をじっくり観察したり、写真を撮ったり。
わが広報誌「みんなの県政 THEかがわ」令和5年8月号もありました!
良かった~。
日本広報協会のスタッフの皆さん、ありがとうございます。
こちらは「広報写真(一枚写真)」の受賞作。
本当に力作ぞろいなので、皆さんがのぞき込んでしまう気持ちが、よく分かります。
こちらはウエブサイト部門の受賞作です。
一口に「広報」と言っても、伝え方は幅広いですね。
全国広報コンクールの部門は大きく分けて、「広報紙」「ウエブサイト」「広報写真(一枚写真)」「広報写真(組み写真)」「映像」「広報企画」の6つがあります。
さらに「広報紙」と「ウエブサイト」には、「都道府県・政令指定都市部」「市部」「町村部」が設けられています。
今回、香川県が特選(総務大臣賞)を受賞したのは、「広報紙」の「都道府県・政令指定都市部」です。
会場のブザーが鳴りました。表彰式が始まります。
ついに開会
表彰式に先立ち、主催の公益社団法人日本広報協会の嶋津昭会長や、秋田県の神部秀行副知事、横手市の高橋大市長から、ごあいさつをいただきました。
さあ、表彰の一番手は、内閣総理大臣賞です。
内閣総理大臣賞は、すべての部門の特選から、さらにナンバーワンを決める賞です。
今年の内閣総理大臣賞は…
愛媛県の西予市の広報誌「広報せいよ」です!
西予市の皆さま、おめでとうございます。
(後ほど、担当者のインタビュー記事を掲載しますので、お楽しみに)
その後、各部門の特選(総務大臣賞)や入選、読売新聞社賞、BSよしもと賞などが発表されました。
わが香川県も表賞状と盾をいただきました。
これも、ひとえに取材させていただいた関係者の皆さまと、いつも支えてくださる県民の皆さまのおかげです。
我々としても、「県民に届く広報」を目標に掲げ、県民の皆さまが知りたいと思う情報の精査や、県民目線に立った情報発信を日々心掛けてきました。
今回の受賞で、その努力が一つ報われた気がします。
この場をかりて、広報誌に関わるすべての皆さまに心より感謝を申し上げます。
さて、今日はせっかく全国から広報の"猛者"たちが集まっているので、時間の許す限り、話を聞いて行きましょう。
まずは、お隣に座っていた、京都府の京丹波町役場の皆さまにアタック!
京丹波町は広報誌「広報京丹波」令和5年11月号が、町村部門で特選(総務大臣賞)を受賞しました。
広報紙(町村部)の特選団体・京丹波町に聞く
広報誌をメーンで担当している、広報担当5年目の上田さくらさんにお話を聞きました。
まず、インパクト大なのが表紙。白ずきんのひもを結ぶ女性のアップで、「さあ、草引きするで」と見出し付き。思わず中をめくりたくなります。
実はこの方、100歳だそう。
京丹波町では100歳を迎えた方に長寿のお祝いとして、町長さんがご自宅を訪問しており、今回の特集はその活動に合わせて組まれました。
ページを1枚めくると、別の100歳お二人がお目見え。1ページずつ、向い合うように座っています。
お二人(綾子さんとアキエさん)は80年来の親友ですが、最近は会えていないそうで、せめて紙面上で会わせてあげたいと、この構成にしたそう。
記事では、ほかに綾子さんが毎日パソコンで書いている日記の文章も引用しています。
「あやこにっき」10月19日
栗拾い
畑でアキヱ様と話す
畑の除草 夜おかず貰う
担当者の上田さんはこう話します。
「100歳の皆さんは、さまざまな時代を生きてこられました。年齢的な問題で、できないことも増えてきたと言いますが、そんな日々も心豊かに、そして愛おしむように過ごされている姿に感銘を受けました」
ただ、この感動をどうやって読者に届ければよいのだろう。
上田さんは悩まれたそうです。
特に表紙の写真は、お一人の方をこんなに大きく載せてよいか頭を悩ませました。
でも、この女性の表情にこそ、自分が伝えたいことが詰まっている。
そう思いを強くし、決断したといいます。
「これからも住民の方に寄り添いながら、仕事にまい進したい」
上田さんが意気込みを語ってくれました。
あらためて、受賞おめでとうございます!
▼京丹波町の受賞作(令和5年11月号)はこちらから(京丹波町ホームページ)
次に声をかけたのは、高知市さんです。
広報紙(一枚写真部)の特選団体・高知市に聞く
この日は、高知市から広聴広報課の森田加奈子課長が代表で来られていました。
森田課長は広報紙の"編集長"です。
高知市広報「あかるいまち」令和5年12月号は、「広報写真(一枚写真)」の部門で特選(総務大臣賞)を受賞されました。
表紙の写真は女性消防士の活躍を伝える特集に関連したもの。
撮影は、広報広聴課職員でカメラ歴5年以上の津野友彰さんだそうです。
あえて暗がりの中で撮影に臨み、右から強いライトを当て、全体に陰影を際立たせ印象的な作品に仕上げました。
講評では「女性消防士のカッコよさが目を引く。消防車をあえて見切れて入れて、赤色を差し色にしたのもうまい」「コントラストが効いた力強い写真に一目でひかれた」「上位の作品の中でも、考え、つくり上げた一枚」と評価されました。
本当に素晴らしい作品ですが、この写真、すんなり撮れたわけではないと言います。
当初は、この特集ページの写真が表紙として提案されたそうです。
女性消防士お二人の笑顔が素敵な一枚です。
普通なら「OK!」となりそうですが、森田"編集長"はこう言い放ったそう。
「訴求力が足らん。表紙は見ただけで中を開きたくなる写真を」
そして、表紙写真を撮り直すことに。
森田"編集長"も現場に同行します。
「コントラスト強めで、映画のワンシーンみたいなカットを」
「ライティングで陰影を出して印象的にしよう」
「隊列はWの字に並んで、主役となる女性2人を前列に」
次々と意見が飛び交います。
そして、その要望にカメラ担当の津野さんがしっかりと応えます。
いつ119番通報があるか分からない状況。撮影は時間との闘いです。
消防局全面協力のもと、総務大臣賞にふさわしい一枚が、こうして出来上がりました。
森田"編集長"は、同課で広報紙の編集を担当していたこともあり、人一倍思い入れがあったとか。
その後、別部署に異動した後、2年前に課長として舞い戻り、令和5年度には紙面のリニューアルにも取り組みました。
「若い世代の方にも興味を持って読んでもらえる広報紙にしたい」
森田課長が意気込みを語ってくれました。
あらためて、受賞おめでとうございます!
▼高知市の受賞作(令和5年12月号)はこちらから(高知市ホームページ)
最後は今年の内閣総理大臣賞を受賞された、この自治体さんです。
広報紙(市部)の特選団体・西予市に聞く
今年の内閣総理大臣賞を見事受賞したのは、西予市広報誌「広報せいよ」令和5年10月号です。
特集を担当した冨永真央さんに話をお聞きしました。
テーマは「大野ヶ原(おおのがはら)開拓記」。計13ページにわたる大作です。
大野ヶ原とは、高知県と愛媛県の県境に広がる四国カルストの西端、西予市野村町の大野ヶ原地区のことです。
四国カルストは「四国のスイス」とも呼ばれ、高原の雄大な景色が広がります。
そんな場所の一角に、終戦後に当時の食糧不足を解消するため、国策で開拓団が入植しました。
重機はおろか、道路や電気、水道、何もない時代。
開拓地はササやカヤが生い茂っており、入植者はクワを手に一振り一振り開墾していきました。
あまりの苦しさに離脱する人も少なくなったそうです。
広報担当の冨永さんは旧野村町(現西予市野村町)の出身で、小さいころ地元学習や林間学校で大野ヶ原の開拓のことは知っていたそう。
その後、西予市の広報担当となり、いつか広報誌で取り上げたいと考えていた時、「開拓1世」が存命であることを現地で勤務する職員から聞いたことで、すぐに取材を開始。この重厚な特集が出来上がりました。
冨永さんは語ります。
「今は観光や酪農で有名になっている大野ヶ原ですが、現在に至るまでには大変な苦労がありました。何もない開拓地だった時代から現代に至るまでの大変な苦労や当時の思いがどのように今に引き継がれているのかということを知ってほしいという思いで記事を作成しました。」
表紙には、今は大野ヶ原小学校の校庭となった元開拓地に地元の子どもが気持ちよさそうに寝転がる写真。開拓の歴史を未来に語り継ぎたいという思いを込めました。
日本広報協会はこう講評します。
「取材力、物語をつなぐ見出し、読みやすい文章、余白を生かしためりはりのあるレイアウトなども含め、秀逸な作品」
冨永さんに聞くと、広報誌の記事、写真、レイアウトなど、ほとんどの行程を職員さん自らで制作しているそうです。
冨永さんは今年、別部署に異動となりましたが、いつか広報課に戻ることがあれば「今はまだスポットが当たらず見つけられない人やモノにも、時が経つことで見つけられるかもしれません。時代に応じて変化する西予の魅力を捉えながら発信したい」と語ってくれました。
あらためて、受賞おめでとうございます!
▼西予市の受賞作(令和5年10月号)はこちらから(西予市ホームページ)
その後、秋田大学の益満環・准教授による「産官学連携醸造酒『宵の星々』のプロモーションによる地域活性化の取り組み」と題した講演や、京都府福知山市の明智光秀を活用したシティプロモーションの事例発表などが行われ、広報担当者にとって非常に参考となる話をお聞きできました。
さようなら、秋田県
全国広報コンクールの大会は半日ほどの短い間でしたが、私にとっては実りの多い日となりました。
さまざまな人から学ばせていただいた知識を、今後の広報業務に生かしたいと思います。
▼広報コンクールの各部門の受賞作はこちら(日本広報協会ホームページ)
皆さん、最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。
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